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経瞳孔的温熱療法(TTT)について
経瞳孔的温熱療法=Transpupillary thermotherapy(TTT)とは?
低出力半導体レーザーで低エネルギー密度のレーザーを長時間照射し、治療直後の組織破壊を生じさせない治療法です。従来の光凝固治療は網膜を凝固しますので、組織破壊が生じます。
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作用の機序(仮説):温熱により、hear shock protein (HSP)、キトカイン、細胞接着分子等の蛋白の発現が誘導され、これらの蛋白により新生血管 or 周囲の細胞マトリックス繊維化が生じる。その他、温熱によるアポトーシスの誘導も考えられ、細胞機能の遅効性の変化を誘導して、最終的に血管閉塞や組織機能不全を生じさせると思われる。 |
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TTTの特徴:810nmの半導体レーザーでのTTTの最大の利点は凝固反応が起こらず、エネルギーの吸収は殆んど網膜色素上皮層および脈絡膜で行われ、感覚網膜に対する侵襲は少ない。 |
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成績: |
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- Stevens:Arch Ophthalmol 115:345-350,1997
- 94%網膜下液の減少
- 視力改善(2段階以上)19%、不変56%、低下25%
- Newsom:Br J Ophthalmol 83:173-178,2001
- Classic型 CNV :75%
- Occult型 CNV:78%で血管閉塞
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AMDに対する TTT power 設定 |
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Spot size |
1.2mm |
2.0mm |
3.0mm |
Power |
140〜160mw |
260〜270mw |
400mw |
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Spot size は、CNV全体でカバーする大きさとするが、直径3mmを超える。CNVは複数スポットで照射する。隣接するスポットは少し重ね、中心窩への照射は1回とする。 |
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再施行:効果が無かったら、3ヵ月待ってから再施行 |
平成14年12月より、当院でもTTTを始めています。
今まで悪い血管が中心部にあるため、光凝固出来なかった方にも、治療できるようになり、今のところ副作用は生じていません。